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カーナビからMVNOを考える(2008/05/08)

今回は少々視点を変えてMVNOについて考える。今年のCESに早々と参考出品がされるなど モバイルWiMAXのアプリケーション&端末として期待されるカーナビゲーションシステムだが、現状はどうなっているのか。この程、筆者がたまたまメーカー純正の通信対応ナビを搭載した車を購入する機会があったので、ためしに使ってみようとしたら、いろんな問題が見えてきたので報告しておきたい。

カーナビの通信対応は古くて新しいテーマで、地図データの更新のために通信機能を載せるニーズは厳然として存在しているが、普及しているとは言いがたい状況にある。これに対する一般的な説明は、不十分なデータ通信速度と従量制の通信料金であり、これらがWiMAXなどの無線ブロードバンドで解決されれば、普及が進むのではないかと考えがちである。しかし利用者側に立ってみると、他にもいろいろと導入のハードルがある。問題は大きく分けて3つある。

1つ目は通信手段の確保だ。最近のカーナビはBluetoothを内蔵しており、携帯電話を持参して自動車に乗り込めば通信機能は携帯電話が受け持ってくれる。しかし実際にはBluetoothの対応機種は限られており、車を買う時にわざわざ”細かな応機種のリスト(日産カーウィングスの例 )をチェックしろというのは無理な話である。しかも昨年末から携帯電話端末の買い替えが気軽にできない状況になっており、わざわざカーナビに接続するために携帯電話を買い換える事は考えづらい。やはりノートパソコンのデータ通信カードと同じように、携帯電話とは別の第三の通信手段があった方が便利だろう。

2つ目は通信モジュールの入手と設定だ。筆者は定額で使い放題となるウィルコムを選んだのだけどこれを購入するには、自動車の購入契約とは別に、利用者が通信サービスを契約して、通信モジュールを入手し、自分で専用ケーブルを接続して、カーナビの電話機能を設定をする必要がある。新車購入なら販売店のサポートもあるのかもしれないが、中古だと自力で行うしかないので、僅かなマニュアルとWeb (ウィルコムの例) が頼りとなる。これは一般的な自動車ユーザーにとってはかなり高いハードルだろう。

3つ目はサービスの起動だ。せっかく通信モジュールを入手して接続しても通信サービスとカーナビへの情報提供サービスの提供者、つまり契約が分離しているので、両方がそろわないと通信カーナビとして利用できない。ウィルコムの場合、Webで申し込むと2~3日で通信モジュールが送られてくるのだが、カーナビの方は申込書を電話で取り寄せて、IDなどを記載して送り返さないといけないため、タイミングにもよるが実際に使わないにもかかわらず月額料金が発生してしまう事にもなりかねない(日産カーウィングスの例

このように残念ながら現在のところ、カーナビへの情報提供サービスを受けるには、ユーザは強い意志をもって多くのハードルをクリアしていく必要がある。しかもなんとなく腑に落ちないのは2つのサービス提供者の責任分解点が、ユーザの負担となっている気がするのである?利用者はあくまで自動車を買っているのだから、カーナビのサービスは自動車メーカーが一括して提供すれば良いはずである。つまり自動車メーカーがMVNOとなって通信機能を組み込んだカーナビを最初から出荷すれば上記の問題はほとんど解決するはずだ。

地域と全国バンドを問わず、WiMAXの最大の強みといえば「家電などの組込み機器への搭載」が期待される事だ。実際、世界的に製造業からの強力な支援が得られており、実際に日本が世界に誇る電機メーカーが数多くWiMAX Forumに参加している。通信機器メーカーと違って家電製品などは新製品の開発計画を発表する事は稀で、WiMAX内蔵製品の登場は発売までのお楽しみとなるが、製品(端末ハードウェア)だけではなくMVNOをセットとしたサービス提供をぜひ期待したいものである。

(2008/05/07 03:13 干場 久仁雄)

Posted by on Wednesday, May 07, 2008

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